お知らせ

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フレシュール・ショコラ

今まで当店にはなかったチョコレートのムースを使った

ホールケーキをご用意しました。

今までご用意していたガトーショコラや、

湯煎焼きにしたクラシックショコラは
小さいお子様には濃厚すぎる….
とのお客様の声を聞き
ずっと気になっていました。
今回はお子様や若年層の方、

「チョコレートを好きな、どの年代の方にも気に入っていただけるようなお菓子を」
というコンセプトで作りました。

<フレシュール・ショコラ>

なめらかなチョコレートのクレームブリュレと
水分をたっぷり含んだ
軽い口どけのチョコレートムース、
ヴァニラのシロップを染み込ませ、
口どけよくした
アーモンドとチョコレートの生地を重ね、

漆のように艶やかなカカオ風味のグラサージュで覆いました。

チョコレートのお菓子ではありますが、
とても口どけがよく
瑞々しいのが特徴です。

大きさ 8x16cm(5〜6名様分) 2800円  

11月の地方発送

普段テレビは全く見ないのですが、Amazonプライムを使ってお風呂で「深夜食堂」というドラマ
を1話づつ観るのが最近の楽しみになっています。料理の艶っぽさが人生の悲喜交々と相まって、なんだかジンときてしまいます。見終わったあと妙にその料理が食べたくなっていつも困るのですが、最近、自分にとっての美味しさってなんだろうな?とよく考えます。
最高の素材で優れた料理人が作った料理でも、給仕する人が無愛想にドンッっとテーブルに料理を出したりしたら、それだけでもう台無しになってしまい、美味しさを感じられないでしょう。
逆にいくらホスピタリティが充実してても物に本質がなければ本末転倒です。
話中に赤いウインナーをタコにして美味しそうに食べるシーンがあるのですが、普段だと結着剤や保存料、発色剤や色粉などの添加物がたくさん入ったこの手の練り物はできるだけ避けているのですが、観ていて「とても美味しそう」に感じている自分がいることに気づきました。
幼い頃、それを食べた家族の団欒やお弁当のおかずの記憶も一緒に呼び覚ましてくれました。
素材や技術、空間やサーヴィス、作り手が背負っているもの、食べ手が背負っているもの、そういったものがいろんな形で作用しあって、それぞれの「美味しさ」を醸し出す。優劣ではないそれぞれの「美味しさ」、そこに寄り添える仕事がしたいと改めて思わせてくれた、素敵なドラマでした。

今回ご注文くださったお客様は9割がリピーターの方でした。グッと堪えましたが受注処理をしていて熱いものが溢れそうになりました(涙)前回の販売から数ヶ月、たくさんの遠方の客様が不定期の開催の田舎のこんな不便なお店の商品をお求め下さることを本当に本当に嬉しく思っております。
次回もまたご満足いただける品をお届けしたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

この秋には業者さんが主催する洋菓子講習会に何度か参加しました。
意識は高く持っているつもりでも田舎にいるとどうしても鈍化して
しまいがちなので、良い刺激をもらいました。更に美味しいお菓子
を作りたいと思います。                 店主

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名前の由来

おとうさんのそんけいするしょうせつかに
「しばりょうたろう」さんというひとがいます。
しばさんのようにものごとをふかくほりさげてかんがえ、
ひとやものやくにに、おもいやりをもって
たいせつにできるひとになってほしいとのねがいをこめて
いちじをもらって遼(はるか)というなまえをつけました。

先日、小学一年の息子の参観で
「自分の名前の由来を調べてきて発表する」という授業があり
たずねてくる息子に説明した文章です。

これでもずいぶん端折りました💦

本当は、私が尊敬する司馬遼太郎さんの筆名の由来が
「司馬遷に遼(はるか)に及ばざる日本の者(故に太郎)」
から来ているという話を聞き、
対象に愛を持って、ものすごい取材量で情報を集め、
慈しむように言葉を選んで書き上げる司馬さんのように
「常に自らに謙虚で他者に思慮深い、懐の深い人になってほしい」
という願いを込めて遼という一字をもらって
「はるか」と名付けました。

ですが、子供にはまず司馬さんが何をしていたどんな人なのか?
その司馬さんが敬愛していた司馬遷とはどこのどんな人なのか?
はるか及ばないという一見ネガティブなイメージを
どう自らを戒める謙虚さと結びつけて理解させるのか?と
頭の中を難題がグルグルと回りましたが、
今は理解させるのは無理だろう、その代わり
父や母の願いがこもっているのだよということだけは
伝えられたらと考え、冒頭の文章に収めました。
とりあえず、白髪頭の眼鏡をかけたおじさんの写真を見たら
司馬さんだとわかってくれるようにはなりました(笑)

私が自らの名前の由来を教えてもらったのは
ずいぶん大きくなってからでした。
少し記憶は曖昧ですが高校生位か、成人してからだったような気もします。

『実るほど頭を垂れる稲穂かな』

母との何気ない会話の中で、この句が出た時に

「あなたの名前の由来もそこからきてるんだよ」

と言われた時には驚きました。

名字が 稲木 名前が 稔

あー、そんな風な思いを込めていてくれたんだぁ。
歳を重ねるごとにわかったような気になって
踏ん反り返っていないかな?
そもそも年齢を重ねたからって実っているとも限らない。
大丈夫か?俺…と半ば焦りにも似た感情が湧いたのを覚えています。

毎年この時期に、水田のたわわに実った稲穂を見るたびに
「あ〜、自分はまだまだだな…。物事の本質を見抜けるように
もっと努力して、もっと精進しなければ」と
背筋を伸ばしてもらっています。

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雑感

私事ではありますが、七月に大好きだった父が他界し
先日滞りなく四十九日の法要をすませることができました。

数年前から病とたたかっていた父ですが
僕がお店をはじめるにあたり、
体が充分ではない中でも
一緒に雪山の中で原木をトラックに乗せ
敷地に運んではチェンソーで玉切りにし
薪割りして、自ら単管パイプで組みあげた
薪棚に積み上げてくれました。

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山陰に帰省してきてからは
意見が衝突して喧嘩もたくさんしたけど
今思えば、どれだけ心配かけていたのだろうと
自分が恥ずかしくなります。

お店の周りを見渡せば、父が残してくれたものが溢れています。

もう少し意見を聞いておけばよかったな。

もう少し一緒にお酒を飲めばよかったな。

もう少し褒めてもらえるように頑張ればよかったな。

決して器用な人ではなかったのかもしれないけれど
とにかく一生懸命に僕らを育ててくれたのだと
今になってわかりました。

いろんなことやものがあって今日という日がある。

拓郎さんの歌の一節が頭の中を流れます。

「そして今 わたしは思っています
明日からもこうして生きて行くだろうと」

ただただ「ありがとう」そして「おつかれさまでした」

僕もあなたのように

とにかく一生懸命生きたいと思います。

父がお世話になった皆様へ

長い間、大変お世話になりましたことを心よりお礼申し上げます。
有難う御座いました。

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