お知らせ

12月上旬の地方発送

今回お届けするシュトレンやパウンドケーキですが、開封後はできるだけ早く召し上がっていただいた方が、風味や食感を良い状態で味わっていただけると思います。
アドべントに合せて少しずつ切って食べると言われますが、ウチではナイフを入れると3日も経たないうちになくなってしまいます(笑)焼き菓子といえど使っている素材は生鮮食品です。まして油脂の多いものなら油は確実に酸化していきます。クッキー類でも焼いてから7日くらいで最高に美味しくなってあとは徐々に劣化しますし、
パウンドケーキも寝かせて美味しいのは10日くらいであとは水分が飛んでパサパサしていき、香りも平坦になっていきます。複数の素材を混ぜ合わせておくと、時間の経過とともにそれが馴染んでいき、渾然一体となった味と香りになります。それぞれの素材の味わいがはっきりと感じられるフレッシュなものか、全体がまったりと一体感があるものを目指すのかは、作り手の考え次第です。当店のものは前者を意識して作っています。実際にドイツでマイスターをとった方も、「ドライフルーツはほとんどのお店は漬け込まないよ〜、前日にお酒と合わせるだけ」とおっしゃってました。私自身も以前は熟成させたドライフルーツを使って、焼き上げてからもしばらく寝かせてと一般的に言われる作り方をしていましたが、毎年試行錯誤して作り続ける中で<新鮮な方が美味しいんじゃないか?>との思いが湧いてきました。
どこかで盲目的に<寝かせた方が美味しい>と信じていたのですね。私は魚釣りが好きなのですが、釣ってきた魚も、魚種や大きさ、季節によって熟成させた方が美味しいものも、新鮮な状態で食べた方が美味しいものもあります。使う素材や、製法によっていちばん美味しい期間は違うのだと気づかせてくれた大切なお菓子です。
作り手の考えや個性がはっきりと表れるので、この時期はいろんなシュトレンを食べ比べてみるもの面白いですね。

また、いつもケークを作る時は生地の口溶けを重視するのですが、この生地では生地にたっぷりの生キャラメルを配合することで重厚な味わい深さを出しました。一方で配合中の卵を卵黄と卵白に分け、卵白をメレンゲにして加えて重くなりすぎないように配慮しています。
ぶ厚くカットするよりも、1cm厚くらいにスライスしたほうが美味しく召し上がっていただけると思います。

 

先日お客様から頂いたゆずでコンフィチュールを炊きました。なんともいえない良い香りに
厨房中が包まれました。七日は二十四節気でいう大雪ですね。車のタイヤ交換も終わって冬
の備えができました。クリスマスに向けて頑張りたいと思います。         店主

11月下旬の地方発送

この土地でお店を始めた時、一番困ったのはフルーツが手に入らないことでした。
街にいる時には業者さんに前夜にファックスを一枚流しておけば、翌朝には品物が届いていました。苺、ラズベリー、ブルーベリー、ミュール、パイナップル、スターフルーツ、ブラッドオレンジ、ほおずき、マンゴー、パッションフルーツ.....日本全国、また世界の市場から季節は関係ないとばかりにたくさんの品物が揃っていました。こちらでは、青果店のある市内からは遠すぎるため、配達はしてもらえません。また、フレッシュのラズベリーやペリカンマンゴーなど輸入フルーツは「需要がない」と言われて市場にすら入ってきませんでした。手に入る場所は物流が違うAEONなどの大手スーパーだけ。毎日そこに買い出しに行くわけにもいかず、知己の京阪神の業者さんから送ってもらいやりくりしましたが、とても違和感を感じていました。恥ずかしながらそんな状況に身を置いて初めて、自分が扱っている果物の旬はいつなのかな?と調べたような次第です。その過程で、たくさんの流通業者さんや、農家さんの努力で品物を届けてもらっていること、石油燃料を燃やして温めたハウスで、本来の旬でなくても無理して育てていること、海外に日本の苗を持って行き安価な労働力で育てたものを輸入していること、などいろんなことがわかってきました。とても便利ですし、それらを飾ればショーケースは一気に華やぎます。苺の赤は特に鮮烈です。それをのせた商品は真っ先に売れていきます。
商売としては、そこから離れることはとても怖かったのですが、無理してフルーツを使うことをある時期から辞めました。旬の美味しいものが手に入ればその時だけ。それ以外は必要最低限のものしか使わない。生のフルーツを使った華やかな飾りはできないけど、その分中身に加工した<旬の時期に収穫して作られた>ピューレなどを使った層を作り、味わいを出そうと決めました。
なので今でもよくお客様から「ショーケースに色がないね」と言われてしまいますので「中身に詰め込んでおりますので、一度召し上がってみてください」と返答しています。晴れの日のお菓子にはそういった華やかな演出も必要でしょうが、僕は背伸びしないで作る今の自分のお菓子が好きです。手に入らないなら....と少しづつ植えた果樹やハーブが季節ごとに恵みを与えてくれるようになりました。四季の移り変わりを感じながら仕事ができる今の環境をとても愛おしく思っています。

 

年末にしか作らないシュトレンを仕込むのは久しぶりすぎて毎年ドキドキするのですが
その一年に学んだことをどう咀嚼してそのお菓子に落としこむのか考えてブラッシュア
ップしていく作業はとても楽しいです。                 店主

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フレシュール・ショコラ

今まで当店にはなかったチョコレートのムースを使った

ホールケーキをご用意しました。

今までご用意していたガトーショコラや、

湯煎焼きにしたクラシックショコラは
小さいお子様には濃厚すぎる….
とのお客様の声を聞き
ずっと気になっていました。
今回はお子様や若年層の方、

「チョコレートを好きな、どの年代の方にも気に入っていただけるようなお菓子を」
というコンセプトで作りました。

<フレシュール・ショコラ>

なめらかなチョコレートのクレームブリュレと
水分をたっぷり含んだ
軽い口どけのチョコレートムース、
ヴァニラのシロップを染み込ませ、
口どけよくした
アーモンドとチョコレートの生地を重ね、

漆のように艶やかなカカオ風味のグラサージュで覆いました。

チョコレートのお菓子ではありますが、
とても口どけがよく
瑞々しいのが特徴です。

大きさ 8x16cm(5〜6名様分) 2800円  

11月の地方発送

普段テレビは全く見ないのですが、Amazonプライムを使ってお風呂で「深夜食堂」というドラマ
を1話づつ観るのが最近の楽しみになっています。料理の艶っぽさが人生の悲喜交々と相まって、なんだかジンときてしまいます。見終わったあと妙にその料理が食べたくなっていつも困るのですが、最近、自分にとっての美味しさってなんだろうな?とよく考えます。
最高の素材で優れた料理人が作った料理でも、給仕する人が無愛想にドンッっとテーブルに料理を出したりしたら、それだけでもう台無しになってしまい、美味しさを感じられないでしょう。
逆にいくらホスピタリティが充実してても物に本質がなければ本末転倒です。
話中に赤いウインナーをタコにして美味しそうに食べるシーンがあるのですが、普段だと結着剤や保存料、発色剤や色粉などの添加物がたくさん入ったこの手の練り物はできるだけ避けているのですが、観ていて「とても美味しそう」に感じている自分がいることに気づきました。
幼い頃、それを食べた家族の団欒やお弁当のおかずの記憶も一緒に呼び覚ましてくれました。
素材や技術、空間やサーヴィス、作り手が背負っているもの、食べ手が背負っているもの、そういったものがいろんな形で作用しあって、それぞれの「美味しさ」を醸し出す。優劣ではないそれぞれの「美味しさ」、そこに寄り添える仕事がしたいと改めて思わせてくれた、素敵なドラマでした。

今回ご注文くださったお客様は9割がリピーターの方でした。グッと堪えましたが受注処理をしていて熱いものが溢れそうになりました(涙)前回の販売から数ヶ月、たくさんの遠方の客様が不定期の開催の田舎のこんな不便なお店の商品をお求め下さることを本当に本当に嬉しく思っております。
次回もまたご満足いただける品をお届けしたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

この秋には業者さんが主催する洋菓子講習会に何度か参加しました。
意識は高く持っているつもりでも田舎にいるとどうしても鈍化して
しまいがちなので、良い刺激をもらいました。更に美味しいお菓子
を作りたいと思います。                 店主