お知らせ

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味噌作り

大寒は過ぎましたが、毎年ちょうどこの寒い時期に
越前のマルカワ味噌さんから自然栽培白米麹と
有機栽培のさといらずを取り寄せ、家族で味噌を仕込みます。
今回で4度目となります。
回を重ねるごとに、香りもよくなり、
確実に美味しくなっているのでやり甲斐があります。
豆を洗い水に浸すところから二日間の作業を集中して行なえば、
一年間はおいしい味噌汁を飲み続けることができるのだから
俄然気合いが入ります。
衛生的に仕込めば、よく言われる天地返しなども必要ありません。
とても簡単なんです。
菌が心地よい状態を作ってあげれば、
勝手に醸してくれます。

今日仕込んだ味噌を寝かせるために
昨年仕込んだ味噌が入った木桶を開けていたのですが、
あまりの香りの良さに驚きました。
みんなでおいしい!と連呼しながら
沢山つまみ食いしました。
豆の浸水具合、炊き加減、つぶす粗さ、
麹の種類、塩の選定、桶の種類、
保存箇所の温度….などなど、
出来上がりを左右する項目はたくさんありますが、
繰り返す中で、少しづつですがブラッシュアップ出来ていると思います。

父や母の世代のひとたちは、「私たちが幼い頃はこうやって
それぞれのうちの土間で作ってたんだ」と懐かしそうに話してくれますが
普段の生活では大手メーカーの速醸味噌を何の疑いもなく使っていたりします。
味噌の作り方も、身近な人から教えてもらった訳ではなくて
ネットで調べて学びました。
日本人にはとても身近な調味料なのに。
戦後の時代背景もあったのだと思いますが
効率や利益を求めつづけた結果、
大切な事がおざなりになってぽっかり穴が開いてしまってるようで
なんだか寂しいんです。

その土地ごとに適した作物を食べて身体を作り、
その土地ごとの気候の中で暮らし、、
その土地ごとの文化の中で情操を育む。
多様性を感じ、認め、溢れる様々な情報の中から、自分が大切に思うものを
取捨選択することが生きる根幹だと思うのですが
田舎であればあるほど、選択肢は限られ
一様である事が求められているような気がします。

味噌作りも続けてやっていれば、子供たちも次はどうするのかが
分かってきたようです。
彼女たちが大人になったとき、
既製品の味噌を買い求めるのか
自分で作ってみようとするのかはわかりませんが
味噌を作ったことがあるという記憶は
残っているのではないかと思います。
僕は幼い時にやった事がなかった、
子供たちはやったことがある。
この違いは大きいと思います。

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今のこの営みが、彼女や彼らの
人生の選択の一助になれば良いのですが。
今年は1/3を麹を変えて麦味噌にしてみました。
一年後、どんな味わいになっているのか楽しみです。

一月後半の地方発送

今回お届けするのは、ガトー・ア・ラ・ブロッシュ/Gâteau à la broche と パン・ド・カン
パーニュ/Pain de campagneなどです。
ガトー・ア・ラ・ブロッシュは薪の直火で、パン・ド・カンパーニュは薪の炎で石窯をあた
ため、その輻射熱で焼き上げます。どちらも電気のなかった時代から、淘汰されること無く連
綿と受け継がれてきた製法で作られています。現代の経済で言えば、大量生産出来ず、手間が
かかって不効率、利益も出ない…..商売において良いところなんて何にもないのですが、僕に
はたまらなく愛おしい商品で、開業以来、大切に焼き続けています。 淘汰されずに残ってきたものは手間隙をかけないと出来ないものが多いです。
電気やガスの火力と違って容易にコントロール出来ないから、生地の温度、樹種の剪定、薪の
太さ、焼べるタイミング、どれをとっても本当に微妙なもので、とにかく観察し違いを見比べ
て細かく調整するしかない。自分で原木を玉切りし、割って乾かした薪はとても愛おしく、大
切に扱います。
また前者は卵、国産小麦粉、バター、砂糖、塩。後者は国産小麦粉、塩、水のみというとても
シンプルな配合です。お客様から「ここのはちょっと味わいが違うね」とよく声をかけていた
だくのですが、材料は特段変わったものは使っていません。それでも味わいに違いが出るのは抽象的ではありますが、素材を見つめ、生産者を思い、お客様に喜んでいただくという気持ち
の部分を大切にしているからだと思います。これは効率や利益ばかりを見ていては気付くこと
ができない。一見、面倒で不効率なことなんですが、そこにおいしさや、豊かさ、もの作りの
本質があるのではないかと感じています。

今大切に思える先人の知恵や教えを本当は私たちの父や母の世代につないで欲しかった。
以前はそのことを残念に思っていましたが新しい価値を産み出そうとした戦後の混沌の中では
無理だったのかな…と思うようにしています。
だからこそ、僕らの世代が80代、90代の方々が身体で憶えている生きた知恵をワークショッ
プに参加したり、先人から教えてもらって、次の世代に繋いでいかなければと、こんなお菓子
やパンを作りながら思っています。

 

山陰でもやっと雪が降りはじめ、本格的な冬の寒さがやってきました。夏は汗だくになって辛い石窯の作業も、じんわりと包まれるような暖かさに
居眠りしてしまいそうな心地良さを感じる今日この頃です。   店主

ガトー・ア・ラ・ブロッシュ

出来上がりを左右する、
生地の温度、
樹種の剪定、
薪の太さ、
焼べるタイミング、
どれをとっても本当に微妙なもので
翻弄されっぱなし。

思ったように焼き上がらなかった時は
何でこんな手間なことやってるんだろう?とか
もうやめようかなぁ〜なんて気持ちが頭をもたげるんですが
焼成台の熾きや灰を片付ける頃には
次はこうやってみたら….
あそこでこう変えたら良くなるかもしれない….と
闘志のようなものが湧いてきます。

次はもっと上手に焼けるはず。

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アラウンドボード

うちのカンパーニュの様に大きなパンって
家庭の小さなまな板の上では少し切りづらいですよね。
ずっと何かいい方法はないかなぁ?と模索していたのですが
西粟倉の木工作家:フレル山田さんに相談したところ
快諾して下さり、大きなパンをカットするための
カッティングボードを作ってもらいました。

折角の大きなカッティングボード、
パンを切るだけじゃもったいない….。
ローストチキンや、かたまりで焼いた
大きなお肉を取り分けたり、
シャルキュトリーやチーズ、お惣菜を盛り合わせてみたりと
様々なシーンで利用出来るものが出来ないかと考えました。
僕が1kgの大きなパンを焼くのも、
時間をかけて変化を楽しみながら
切り分けて食べて欲しい、家族や友人とその時間を
共有して欲しいと思うからです。

大切な人と囲む食卓に
ぬくもりのある木で作ったカッティングボードを添えたい
というイメージを山田さんに伝えたところ
とっても素敵な作品を作って下さいました。

試作を重ねるなかで、反りにくいようにと
西粟倉産のヒノキの本体の両側に添えられた
チェリーまたはウォルナットで出来た持ち手部分の意匠や
パン屑を受ける溝も、肉汁や水分の多いお惣菜を盛った時に
汁気を受け止められるように。
また角の広くなった溝は
薬味などを盛りつける場所としても使えるようにと
様々なシチュエーションで活躍するよう
考え抜いて下さいました。

我が家でも大活躍しています!

サイズ:タテ480 × ヨコ300 × 厚さ22 (mm)
樹種:ヒノキベースでチェリーとウォルナットの二種類