11月の地方発送

普段テレビは全く見ないのですが、Amazonプライムを使ってお風呂で「深夜食堂」というドラマ
を1話づつ観るのが最近の楽しみになっています。料理の艶っぽさが人生の悲喜交々と相まって、なんだかジンときてしまいます。見終わったあと妙にその料理が食べたくなっていつも困るのですが、最近、自分にとっての美味しさってなんだろうな?とよく考えます。
最高の素材で優れた料理人が作った料理でも、給仕する人が無愛想にドンッっとテーブルに料理を出したりしたら、それだけでもう台無しになってしまい、美味しさを感じられないでしょう。
逆にいくらホスピタリティが充実してても物に本質がなければ本末転倒です。
話中に赤いウインナーをタコにして美味しそうに食べるシーンがあるのですが、普段だと結着剤や保存料、発色剤や色粉などの添加物がたくさん入ったこの手の練り物はできるだけ避けているのですが、観ていて「とても美味しそう」に感じている自分がいることに気づきました。
幼い頃、それを食べた家族の団欒やお弁当のおかずの記憶も一緒に呼び覚ましてくれました。
素材や技術、空間やサーヴィス、作り手が背負っているもの、食べ手が背負っているもの、そういったものがいろんな形で作用しあって、それぞれの「美味しさ」を醸し出す。優劣ではないそれぞれの「美味しさ」、そこに寄り添える仕事がしたいと改めて思わせてくれた、素敵なドラマでした。

今回ご注文くださったお客様は9割がリピーターの方でした。グッと堪えましたが受注処理をしていて熱いものが溢れそうになりました(涙)前回の販売から数ヶ月、たくさんの遠方の客様が不定期の開催の田舎のこんな不便なお店の商品をお求め下さることを本当に本当に嬉しく思っております。
次回もまたご満足いただける品をお届けしたいと思っておりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

この秋には業者さんが主催する洋菓子講習会に何度か参加しました。
意識は高く持っているつもりでも田舎にいるとどうしても鈍化して
しまいがちなので、良い刺激をもらいました。更に美味しいお菓子
を作りたいと思います。                 店主