メディア掲載

クグロフショコラIMG_0780

<クグロフ・ショコラ>

カカオの風味を感じられて、
なおかつ重くならない
軽やかな口溶けの
チョコレートケーキを目指して作りました。

生地にはバターとチョコレート、
アーモンドを贅沢に使ってコクをだし、
きれいな泡のメレンゲを加えて
軽い食感に仕上げました。
表面にはローストした香ばしいアーモンド入りのグラサージュをかけ
相性の良いドライフルーツを飾っています。

今週末からショーケースの上に並びます。

1

身の丈にあった言葉

開店して四年半。
開業当初から変わらないこと、

さまざまな出会いや気付きのなかで変わったこと、

まだ見ぬ明日への希望や不安…..

湧き出るいろんな思いを抱えて日々を紡ぎ、
この地で僕という人間がお菓子を作ることに
どんな意味があるのか、問い続けています。

いままでTOUJOURSには、自作の拙いHPしかありませんでしたが
やっと、憧れていたデザイン事務所nottuoさんに
HPを作ってもらうことができました。

厳選した〜とか、焼きたての〜とか、
よくある派手な修飾語はどこにもないけれど
自分たちの素直な思いを
身の丈にあった言葉で綴れたのではないかと思います。

お菓子や仕事に詰め込んでいるたくさんの想いを
お客様に伝える場所に出来ればいいなと思っています。

12316246_762495073862405_4097922617513286629_n

<ガトー・フレーズへの想い>

ふんわりしっとりと焼き上げたスポンジに
程良く酸味の効いた香り良いイチゴとソースを
口溶け良くなるよう考え抜いたバランスでサンドし、
最高に美味しい生クリームをフリル状に絞り上げました。

ガトーフレーズ用に焼き上げるこのスポンジは
一般的なジェノワーズとは配合も作り方も大きく異なります。
このお菓子のためだけに焼き上げる
きめ細かくきれいな泡と水分をたくさん含んだ
口溶けの良い生地。

生地の水分量を多くすることでシロップを打たなくても
しっとりと口溶けよくなる。
シロップを打たないことで、スポンジがが冷えきらず
生クリームとの温度差が生まれることで生地に温かみを感じ、
優しい印象を与えます。
また、焼き上がり冷めた生地は底面に近いほうが密度が高く、
上面に近い所は比重が軽い。
それを考慮して底面に近い所は薄く、
上面は厚くスライスして使います。

生クリームは根釧地区の農家さんが
牧草で育てた牛の生乳から作られています。
カロリーの高い乾燥飼料などで育てられた牛の
真っ白な乳と違って
草に含まれるカロテンの影響で
真珠のような少しアイボリーがかった色合い。
殺菌温度が低く、脂肪球を大きなままで残した
生クリームを使用しているため
乳味感が強く、とても口溶けが良い。

イチゴはしっかりとした酸味と香りを持ったヨーロッパ産。
旬の時期に収獲された中まで真っ赤な美味しい苺です。
生地とクリームとの相性を考え、
程良い厚さにスライスしてサンドする。
生地には同じイチゴで作った香りの良いソースも染み込ませる。
その状態で一日寝かせることでイチゴの香りがクリームに移り、
クリームの水分がスポンジに湿りを与え、一体感がうまれる。

最後は、この最高に美味しい生クリームを
フリル状に絞り上げて完成。

小さい頃、とても憧れたイチゴと生クリームのショートケーキ。
ざっと書き出しても、自分なりに譲れないポイントがたくさん詰まったお菓子です。

イチゴの赤って、とても魅力的で人の目を惹き付けます。
ショーケースに並べた、たくさんの菓子の中から
一番最初に無くなっていくのは
苺が乗ったケーキなんですよね。

今では一年中手に入りますし、のせてるだけで売れちゃう。
この魅力にお菓子屋さんは抗えないです(笑)

ウチのように小さな規模で僻地でお店をやっていると
果物屋さんにも配達してもらえないんです。
街で働いていたときは年間通して
フランボワーズ、ブラックベリー、ブルーベリー、メロンにブドウ….
様々なフルーツが仕入れられました。
サイズや数を電話やFAXで伝えれば
翌日には必ず届けてくれるんですもん。

でもここではそれが出来ない。
基本、扱えるのは自分で買い出しに行き
手に入る食材だけになりました。
最初はあれも使いたいのに、これも無いのか…とイライラし
通販で取り寄せて使ったりもしていたんですが、
そういったことにも少しづつ違和感を感じ
なんだか無理をしてることに疲れちゃって、
そのとき手に入る物でお菓子を作るように変わりました。
結果、旬の物しか手に入らないからそれしか使わない….
ということに繋がって行きました。
ショーケースに華やかさは無いけれど、
無理をしないことが
僕自身心地いいことに気付きました。

イチゴも旬は春先から初夏だそうです。
幼い頃、実家の裏の畑でアリと競争しながら
熟れたイチゴを収獲したのを憶えているのですが
その記憶も初夏だったように思います。

自分の感覚では、この時期のイチゴは露地物も多く
ハウスで作ったものとは香りも味わいも格段に違います。
それに比べて秋に出回りはじめた苺は
味も香りも希薄な印象を受けます。
(もちろん品種にもよります)
僕は古い株かもしれませんが「女峰」の様に
脂肪分の高い生クリームと組合せても負けない存在感がある
しっかりと酸味、香り、甘味を持った
バランスのとれた苺が好きです。
それも旬の時期の露地物がいちばん美味しく感じます。

現在の苺は、生産者さんの努力や品種改良で
良いものが次々産まれているのでしょうが、
一番苺が売れるXmasに照準を合わせて
寒い時期に化石燃料を使ってハウスをあたため苗を育て
少し無理をして作っている….。

夏以降、Xmasに向けて苺の争奪戦が始まります。
価格も状況によってかなり高騰します。
普段1パック500円前後の苺が1000〜2000円になったりもします。
大手さんは契約で大量に数をおさえて、
価格も上がらないようにしているそうです。
ウチのような小さなお店は、数を確保出来るかどうか?
価格は幾らまで上がるのか?ということに
翻弄されてしまいます。
僕も今までやってきましたが
夏や秋にXmasのチラシを作って、
手に入るかどうかわからない素材を使った
商品の予約を取ることが
どうしても耐えられなくなりました。

・使うなら旬の美味しい苺を使いたいこと。

・化石燃料に頼って無理して作った苺の
 サイズ、数の確保、価格の高騰に翻弄されたくないこと。

・苺のヘタを取る人手が足りないこと。

そんな理由で、今年はガトー・フレーズの上に
苺をのせるのをやめました。
その代わり、最高に美味しい生クリームを
贅沢に絞り上げています。
とてもバランスよく、おいしいガトー・フレーズになりました!

苺が乗っていないことでご満足いただけない
お客様もおられるかもしれませんが
どうしてもイチゴが食べたい!と思われる方は、
スーパーで1パック買ってきてのせられたほうが
たくさん食べられてかなりお得です(笑)
しかもXmas当日よりも1週間前くらいに始まる特売の日に。
酸味の強い品種ならは身持ちも良いので、あたっていない
しっかりしたものだと野菜室に入れておけば多分大丈夫です。

私自身「そうはいっても〜」「そんなの無理だから」という
既成の概念に今まで縛られてきました。
でも今年はそこから抜け出して
その競争から降りることにしました。
作業工程が増えるため、お届け出来る数も減りますし
収入も減る….。
かなり悩みましたが、そのほうが
自分らしい仕事ができると判断しました。

昔は「〜日徹夜した」「〜千台作った」と言うことを
誇らしげに話す人が多かった。
人口が増えて景気も右肩上がり、
みんなが消費する社会だったから
そういったこともできたのでしょうが
「それっておいしかったの?」と言う思いが
ずっと自分の中にありました。

今年のXmasはしっかりと腰を据えて、
新しいやり方、価値へのチャレンジをしてみようと思います。

でもでも、このガトー・フレーズ、メチャメチャ美味しいですよ!
一切妥協はありません。というか、とても手が込んでいます。
Xmasにこんな構成のガトー・フレーズ作ってるとこ
僕は知りません。
ウチのこのお菓子、お客様から
「子供たちがいつもはホールケーキ買ってきても全部食べきらないのに、ここのは完食したよ!」
とか「ここのは生クリームが違うからとか口溶けがよくって…」と声をかけていただくことが多いのです。
詰め込んだことが伝わっているんだなぁ…と思うと
嬉しくって泣きそうになります。

たくさんの数はご用意出来ませんが、
こんな思いに共感してご予約して下さるお客様がおられましたら
精一杯の仕事で美味しいお菓子を届けたいと思っています。